子供の医療費が有料か無料か把握して節約につなげる考え方

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最近ご相談に来られた方で、お子さんの民間医療保険を契約していらっしゃる方が複数いらっしいました。

ご心配があったり、保険会社から勧められたりと契約の経緯は様々でしたが、自治体の医療費助成があり、そこまで備えなくてもいいのではという事例もあったため、今回は子供の医療費助成について書いてみます。

医療費助成は大きく分けて

①乳幼児医療 0~就学前 入院・外来とも無料

②こども医療 小学1年生~6年生 それか 中学3年生まで 無料か自己負担限度額が 入院2,000円/月 外来1,000円/月 など上限額が設定されている

③福祉医療 障がいやひとり親家庭などに対する助成制度 県一律などの基準が多い

となります。

この中で①が無料なのはとてもありがたいことです。これらは公費から支出されます。まさに、国民全員(納税者全員)で子供たちを育てていると言えますね。しかし、無料なので比較もできません。

差が付くのはやはり②の小学生~の部分となります。

見渡してみると、小学生は無料としている自治体が多いように感じます。あるいは軽減されているということになります。

例えば島根県を例にとると、小学生が無料となっているのは19市町のうち15市町あり、大半が小学生の入通院が無料で受けられるとなっています。またその大半が中学3年生まで無料としています。

ちなみに浜田市・益田市などは無料ではなく、一部負担金の限度額が設定されていて、入院は2,000円/月、通院は1,000円/月となっています。

また、この制度が無い市もあって、江津市は令和3年1月現在は②にあたる制度はありませんが、市民からの要望を受けて令和3年4月より②の制度を導入する予定にしています。

内容はほぼ一緒ですが、小学生が対象で、一部負担金が3割から1割に引き下げられ、それでも多く医療費がかかった場合の月の限度額(入院2,000円・通院1,000円)を設けているということです。

江津市がこの制度を導入したもう一つの背景が県が小学生の医療費を助成する自治体に交付金を配るからでもあります。こうなると制度を待ち望んだ市民の期待もあり、制度導入に踏み切ったということだろうと推察できます。

島根県のみならず、助成制度を導入している自治体の傾向は、公費予算がある程度ある大都市、子育て世帯を取り込みたい過疎地。が多く採用していることも分かります。その中間くらいの地域は少なくとも②部分は無料の自治体は少ない傾向です。気持ちは良くわかりますね。

ちなみに自治体によって3割負担のまま月の限度額を設けているところもあれば、1割まで下げてそのうえで月の限度額を設けているところもあり、自治体によって全く違いますので、ご自身の住んでいる自治体はどうなのかと調べてみることも大切になります。

浜田市の場合、月の限度額の適用は1医療機関、1か月あたりとなっていますので、小児科に行って、歯科医院にいったなどであれば、それぞれを合算して外来1,000円を超えたからそれ以上の負担はないというわけではないですね。それぞれでカウントして上限を超えるかどうかが問題です。ちなみに中学3年生までは薬代も無料です。

また、中学卒業から20歳未満で慢性呼吸器疾患等16疾患群にかかる入院には一部負担金が1割に下り、入院のみ月額上限が15,000円となります。ただしこれは認定証が使えないため、いったん立て替えて後日払い戻しを受ける形を取ります。また、所得制限があり、児童手当の制限に準じています。

慢性呼吸器疾患等16疾患群とは」
  ○慢性腎疾患 ○慢性呼吸器疾患 ○慢性心疾患 ○膠原病 ○神経・筋疾患 ○悪性新生物
○内分泌疾患 ○糖尿病 ○先天性代謝異常 ○血液疾患 ○免疫疾患 ○慢性消化器疾患
  ○染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群 ○皮膚疾患 ○骨系統疾患 ○脈管系疾患
 ※骨系統疾患及び脈管系疾患については平成30年4月1日から追加となりました。 (浜田市児童医療費助成制度についてより引用)
また、この助成が使えないケースもあります。学校などでのケガで学校が加入している保険が適用される時(災害共済給付制度)
交通事故など加害者からの受傷や第三者からの暴力によるケガなど
健康保険が使えないもの
これらは助成制度の対象外となりますので注意が必要です。

 

こう見てみると、果たして民間の保険料を月額2,000円払う必要があるのかどうなのかという疑問が湧いてきます。2,000円の保険料をはらうか?保険料だと思って月に2,000円貯蓄に回してケガや病気で入院が一か月必要になったら2,000円の限度額で入院する。これらを比較して考えてみたらよい回答が得られそうです。
もちろん民間保険を使って健康保険で賄えない食事代や身の回り品、子供が入院するので、親が付きそうための時短勤務のマイナス分を民間保険で補うなども考えられるため一律の判断もできません。また、先進医療特約など健康保険証が使えずに10割負担でも治療したいというニーズがあるケースもあったりもします。あるいはがん特約などがあれば、小さい子でもがんに罹患して治療が必要な時に一時金が出たり、通院保障があったりということもありましょう。
しかし、子供が3人となると、3人で年間7.2万円の保険料を払います。10年払うと72万円です。
ポイントは毎日「今」を皆さん生きています。近い将来の方が見通しが立ちやすく、遠くの未来はあまり見えないのです。
しかし、遠くの未来を見ようと思ってキャッシュフロー表を作ると、10年で現実に72万円が出て行って家計の収支に影響していると分かるわけです。
余談ですが、今までに相談に来られた方で結構多かったのが、保険会社の方に将来子供が20歳以降に名義変更してそこからは保険料を子供に払わせることで保険を渡せるし、終身保障が継続しますといわれるケースがとても多かったと思います。これは一見正しいように見えますが、医療保険はまさに激戦区で、毎年のように新しい保険が生まれます。それもそのはずで、医療自体が変化してますから、保険もそれについていこうと改良がくわえられるわけです。昔の医療保険は入院が4日免責だったり、がんと診断されたら診断給付金が生涯1度しかもらえないなど、今見ると本当に古いなと証券診断するたびに思います。それくらい日進月歩で、また激戦区なので保険料も据え置かれたりしています。ですから、子供が20歳になったということは、20年以上前に作られた保険になっているということです。それがその時の医療とあって無かったら、子供に名義変更して保険料を払わせるということは、他人よりも劣る武器で勝ち残れと言われているのと一緒ですし、子供がかわいそうです。
心配なのは何か?それには民間の医療保険が一番いいのか?よく考えることが肝要です。
自転車での事故が怖いという方が増えています。よくよく聞くと、自転車で転んでけがをするということではなく、自転車を運転していて、他人をはねたりしたら、保護者としてどう責任を取ったらいいかという不安だったりします。それなら、個人賠償の特約をお乗りの自動車保険の特約で付けたり、家の保険(火災保険)に特約で付けることで、子供の自転車の加害事故も補償されますし、保険料も月に100円とかのレベルです。
整理すると
子供の医療費は自治体により差があるが、乳児医療は無料、小学生から中学生までは無料か月額医療費の上限が設けられているところがい多い。
それらの助成は公費。公費に甘えることも家計を助けるコツ。しかし、それと子供の医療保険がリンクしてないから見直そうかと考える人が多くない。

キャッシュフロー表を作ると、保険料の積算が分かるので、早めに見直ししようと思えるきっかけになるかもしれない。

どんなことが心配で、その心配を解決する方法で最もいいものは何かと考えると答えが出やすい。

 

これを機にお住いの自治体の助成制度を調べてみて、お子さんの民間医療保険が本当に必要か考えるきっかけになればうれしく思います。

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